『異世界密着24時!?』&『アイル Be Here!』W連載中!!原作者・ナカタニエイトさんインタビュー

マンガ配信サービス「ステキコミック」では、オリジナル作品から人気の名作コミックまで、ラインナップも続々増加中。特にオリジナル作品には、小説投稿サイト「ステキブンゲイ」「ラノベストリート」との連動企画として生まれたフレッシュなコミカライズ作品も顔を揃えています。

今回は、昨年のラノベストリート「第一回マンガ原作大賞」で優秀賞に輝いた『異世界密着24時!?』(漫画/たいなん)と、女子高生VTuberの恋と成長を描く青春ストーリー『アイル Be Here!』(漫画/一宮シア)の2本の連載で原作を務めるナカタニエイトさんにお話を伺ってみました。

タイプの違う2作品がどのように生まれたのか、みなさんも気になるのではないでしょうか?

ドキュメンタリー番組にハマってまして、「異世界×ドキュメンタリー」って面白いんじゃない? と思ったのがきっかけ

――まず最初に、「第一回マンガ原作大賞」の優秀賞受賞作『異世界密着24時!?』について、どのような作品かお教えいただけますでしょうか。

『異世界密着24時!?』は、ファンタジー世界でドキュメンタリーやバラエティなどを制作する撮影チームに焦点を当てた作品です。

彼らの制作した作品を読者の方にも楽しんでいただけるよう、番組仕立てのマンガとなっています。

「誰もがその瞬間を生きる主人公」をテーマに作っています。

今は勇者エレンの活躍がメインになっていますが、ファンタジー世界に生きる様々な人を取り上げたいなと思ってます。例えば、鍛冶屋の職人だったり、武器屋の商人だったり。

――作品が生まれたきっかけを教えていただけますでしょうか。

今までにないような設定で異世界物を書きたいなと考えていたんですが、その時にドキュメンタリー番組にハマってまして、「異世界×ドキュメンタリー」って面白いんじゃない? と思ったのがきっかけですね。

様々な人やシーンで深掘りできますし、いくらでもネタが出せそうなので、連載マンガ向きかも……とヨコシマな事も考えたりしました(笑)。

「中身は丸っきり別の作品になっても良いんで、とにかく面白い作品にしたい」という話をしました

――受賞が決まり、コミカライズの制作がはじまったときに、要望や編集部と相談した部分などはありましたか。

僕からの要望や不安は特にはなかったです。

しいて言うなら、「僕の書いたマンガ原作をベースにしつつも、中身は丸っきり別の作品になっても良いんで、とにかく面白い作品にしたい」という話をしたくらいでしょうか。

「アニメ化目指して頑張りましょう!」と編集部の方から言われた際には、ちょっとだけ目を泳がせてしまう小心者でしたが。

――現在好評連載中のコミカライズ版ですが、これまでのなかでお気に入りのシーンはありますか。

ごめんなさい。シーン限定ではなく、もはやコミカライズ版全体の話をさせてください。

コミカライズ版の作画は「たいなん」さんがされているのですが、このたいなんさんが本当に凄い!

自身の原作が、たいなんさんの手にかかると10倍も20倍も輝きを増して返ってくるんですよ。

例えば、小説版の1話「チャンネルはそのまま!」とコミカライズ版の第1話「勇者の原点」を読み比べていただけるとわかると思うんですが、勇者エレンの格好良さが明らかに違うんですよね。

そんな訳で、たいなんさんのネームを見るのが毎月の楽しみの1つでして、最初にネームを見ることができるのは原作者の特権だなぁ、なんて思ってます。

その手で育ての親である神龍を討たねばならない運命を背負った勇者エレン。

「非実在奉城アイルを登場させますが、すみません!」とお話しました

――続いてこちらも好評連載中の『アイル Be Here!』についても同様に、どのような作品かお教えください。

『アイル Be Here!』は、VTuber「奉城アイル」として活動する女子高生の成長&ラブストーリーです。

VTuberの活動をするにあたって「絶対に身バレしてはいけない」という制約が課されているんですが、なんと自分が好きな男の子が奉城アイルのファンだと知ってしまいます。

男の子と仲良くなりたいけど、仲良くなったらいつか自分が奉城アイルだとバレてしまうのでは……という葛藤と恋模様を楽しんでいただけたらと思ってます。

――実際に活動されているVTuberの奉城アイルさんを主人公に据えて繰り広げられる創作ストーリーですが、この作品が生まれた経緯をお教えください。執筆に際して奉城アイルさんとご相談されたことなどはありますか?

VTuber×成長ストーリーを書きたいなと思っていた矢先に、中村航先生からお声がけいただいたことがきっかけです。

奉城アイルさんには「非実在奉城アイルを登場させますが、すみません!」とお話しました(笑)。

ただ、好きなことなどは本物の奉城アイルさんに寄せようとしてます。

歌を歌ったりと、本物の奉城アイルさんとはだいぶ別人になっているんですが、それを良しとしてくれている(であろう)奉城アイルさんの懐の深さに感謝です。

――『アイル Be Here!』についても、お気に入りのシーンがありましたらお教えください。

第1話「アイルとのぞみ」でのぞみが歌を歌うシーンです。

お気に入りのシーンはたくさんあるんですが、作画をしていただいている「一宮シア」さんに最初に感謝したシーンなんです。

ギターを持って「聴いてください」と言うのぞみの表情や動きがめちゃくちゃエモい!って興奮しました。この1枚があったので歌を中心にしようと(勝手に)決めたんです。

ちなみに、お渡しした原作では「のぞみが歌う」しか書いてませんでした。それをこの素晴らしいシーンに仕上げていただいた一宮シアさんにごめんなさいと感謝を、この場で伝えさせてください。

そして、奉城アイルさんにはいつか配信で生歌を披露いただくとして……(笑)。

配信中にアイルとして歌いはじめるのぞみ。この直前の、ナカタニさん激推しシーンはぜひコミックでたしかめてみてください!

全部! って言いたいんですが、敢えて挙げるなら「いつでも気軽に楽しく読めること」です

――『異世界密着24時!?』は小説として執筆したもので、『アイル Be Here!』はコミックのためのオリジナル原作となるのですが、小説とコミック原作で、執筆するときの違いなどはありますか?

小説は、心理描写や情景を読み手に理解してもらえるように時にはかなり細かめに書く必要があるものだと思っています。

一方で、コミックの原作は漫画家さんのクリエイティブを刺激するものにしたいなと思ってまして、あまり事細かに書かないようにしています。

できる限り漫画家さんの自由になるように、漫画家さんが楽しんで描けるように、そう思って原作を書いてます。

決して僕が楽をしようとして、手を抜いている訳じゃないですよ!(笑)

――原作者として、この2作品の見どころやおすすめポイントをお願いします。

全部!

って言いたいんですが、敢えて挙げるなら「いつでも気軽に楽しく読めること」です。

熱さとちょっとした笑いがほしい時には『異世界密着24時!?』を。

優しさとドキドキを味わいたい時には『アイル Be Here!』を。

そして、たいなんさん&一宮シアさんの熱のこもった素晴らしい作品を存分にご堪能ください。

――最後に読者に向けて、メッセージをお願いします。

『異世界密着24時!?』も『アイル Be Here!』も関係者全員、丹精込めて制作している物語です。ぜひ今後ともご愛読いただけると嬉しいです。

そして何よりも漫画家たいなんさん・一宮シアさん、VTuber奉城アイルさんの名前を覚えて帰っていただければ。

また、ナカタニエイトは「大好きなロックバンド(※ASIAN KUNG-FU GENERATION)に主題歌を歌ってもらう物語を作る」という大き過ぎる野望を持って、今後も活動していきます。引き続き応援いただけると喜びます。




『異世界密着24時!?』あらすじ
命を賭して平和を守る人がいるならば、 命をかけて、その瞬間を撮る!!  これは魔王の脅威に怯えて暮らす「エンガーデン」の人々を追った、 とある撮影部隊の物語。 強気なBOSSに肝の座ったカメラマンあやめと共に、 あくせくと働くADハカマダ。 彼らの撮った異世界ドキュメンタリー番組は、平均視聴率35%超え!! ドキュメンタリーあり、バラエティあり、魔王あり!? ただひたすらに真実を届ける。 瞬間瞬間に命をかける。 異世界ドキュメンタリー制作マンガ『異世界密着24時!?』 NOW ON AIR!!


アイル Be Here!』あらすじ
どこにでもいる平凡な高校1年生・伊藤のぞみ。だけどもう一つの姿は…「アイル Be Back 奉城アイルだよ!」歌や喋りを配信する、人気VTuberだった……! のぞみが片思いしている葵は、奉城アイルの大ファンで!? 葵くんが好きなのは奉城アイルとしての私……VTuberならではの視点で繰り広げられる全く新しい恋愛模様!

著者プロフィール

ナカタニエイト

東京生まれ東京育ち。IT企業に勤めるかたわら、2020年から執筆活動を続けていたところ、2022年に漫画原作者としてデビューする。ラノベストリート「第一回マンガ原作大賞」優秀賞受賞。『異世界密着24時!?』『アイル Be Here!』の原作者として活躍中。

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